〈大神宮御由緒〉

飛鳥時代

大神宮の創立ははなはだ古く、「和銅年中(西暦700年頃)奉斎」と伝えられます。 神社明細帳によると 「和銅元年(西暦708年)4月7日平磯前浦の巨巌怪光を発射しその光眞崎の浦に留る。住民畏れて占う。『伊勢の神なり』と。垂示に従って奉斎。祀職伊勢より来りて奉仕す。」 と記されています。 おもしろいことに、近隣のいくつかの神社にも同じような言い伝えがあり、同じ頃に同じようにして創立されたことがうかがわれます。

平安時代

大神宮の創立ははなはだ古く、「和銅年中(西暦700年頃)奉斎」と伝えられます。
神社明細帳によると 「和銅元年(西暦708年)4月7日平磯前浦の巨巌怪光を発射しその光眞崎の浦に留る。住民畏れて占う。『伊勢の神なり』と。垂示に従って奉斎。祀職伊勢より来りて奉仕す。」 と記されています。
時を経て、後冷泉天皇の御代・康平三年(西暦1060年)、源頼義・義家父子、奥州討伐の際に戦勝を祈願し、社殿の造営・神領の寄進がありました。
中世に至り戦乱の世となり、社殿も戦火を被り神領も侵犯され荒廃し祭祀などできる状態ではなくなり、戦火を逃れるため永享七年(西暦1435年)神璽(ご神体)を奉じて、奥州名取郡藤塚に奉遷したとの事です。


江戸時代

徳川幕府が開かれると、朱印地三十三石一斗九升と神地二十四町の寄進があり、元禄七年(西暦1694年)水戸藩主 徳川光圀公は、新たに神殿を造営され同九年あらためて伊勢皇大神宮より「御分霊」を奉遷、「天照皇大神宮」と奉称し、神宝・神器を奉納、参拝されました。以来、毎年正月十五日の春季大祭には水戸藩主の参拝を例としました。
天保四年(西暦1833年)徳川斉昭公は、藩主として初めて国に就かれるや、五月二日奉幣参拝され、安政四年(西暦1857年)には、国事多難にもかかわらず神殿の造営を起工、同七年一切の殿舎が竣工し、神宮尊崇・勤皇の精神を喚起されました。
勤皇の志士が多数参宮し、皇大御神の御神徳を仰ぎ、尊皇敬神の念を高め、明治維新の礎となり、萬延元年(西暦1860年)閏三月、櫻田門外において活躍した忠勇義烈の志士も当宮に参拝し成就を祈願、みごと本懐を遂げました。


現代

昭和三十一年より神池「阿漕浦」の水を日本原子力研究所へ分水。世論を分ける大論争となりましたが、「地域の発展と日本の未来のために」との先代宮司の英断によるものでした。それにより、わが国初の「原子力の火」をともすことに成功。以来核燃料サイクル開発機構・日本原子力発電株式会社・日本電信電話株式会社へも分水。新しいエネルギーの開発の源となりました。

拝殿横の神輿殿には、神輿が二基納められています。二基とも同じくらいの大きさですが、制作年代・経緯は異なります。水戸徳川家縁の神輿は、屋根と担ぎ棒に「三つ葉葵」の紋を有し、文字通り徳川斉昭公より下賜された神輿です。製作年代は不詳ですが、安政四年の造営時期とほぼ同じとすると、約150年前の製作と考えられます。屋根は金箔を張り詰め唐破風の曲線を描き、頂には鳳凰が羽ばたき、水戸徳川家の敬神の篤さがうかがわれます。
この神輿は、基本的に「飾り神輿」として使われ、担ぎ手により担がれることはありません。

もう一基の神輿は、明治四年製作と明記されており、氏子崇敬者の篤志により奉納されたものです。屋根は直線的な切妻風で漆黒の屋根中央と担ぎ棒には大神宮の社紋である「十六菊の紋」が金色に輝いています。

この神輿は「担ぎ神輿」として、大神宮神輿保存運営委員会「一の宮会」の担ぎ手によって勇壮に担がれ、地元の人々に親しまれています。



〈大神宮御祭神〉

大神宮は伊勢神宮より直接「御分霊」を賜り奉祀するお宮です。
ですから、伊勢神宮の「内宮」と同じ「天照皇大神」「天手力男神」「萬幡豊秋津姫神」の三柱の神様を御祭神としています。
ではまず大神宮の神様をご紹介しましょう。

天照皇大神(アマテラスオオミカミ)

皇室の祖先神であるとされている最も尊い神様です。太陽の象徴とも言われています。国生、神生をされた「伊邪奈岐神(イザナギノカミ)」が禊(みそぎ)をされたときに、左の目を洗われた時にお生まれになった神様と「古事記」に記されています。高天の原(神様の国)を治める神様で。伊勢神宮の内宮に祭られております。

天手力男命(アメノタヂカラオノミコト)

天照皇大神が「天の岩戸」に隠られた際、戸を開き大神の手を執ってお出しした神様です。天照皇大神の復活に功のあった神様です。また、邇邇芸命(ニニギノミコト)の天孫降臨の際にお供をした神様としても有名です。

萬幡豊秋津姫命(ヨロズハタトヨアキツヒメノミコト)

高天の原をおつくりになった、「高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)」の子で、天照皇大神の孫にあたる邇邇芸命(ニニギノミコト)の母にあたる神様。天照皇大神の前に侍し、天照皇大神をお助けし、神々が私意にかられて汚き心を抱く事なく諭す神様です。現在、天手力男命同様伊勢神宮の相殿神として祭られています。


〈大神宮御神德〉

天照皇大神御神徳

八百万の神の中でも最高神である天照皇大神の御神徳は多岐に渡ります。
民意尊重の徳、寛容の徳、明浄正直の徳とあり、家内安全、交通安全、海上安全、病気平癒、子宝、安産、商売繁昌、試験合格、就職成就、良縁成就、方位除等の御神徳があります。

天手力男神御神徳

御神徳は力の徳とあり、単なる力のみならず衰退した力を復活させる御神徳もあります。スポーツの神としても崇められています。

萬幡豊秋津姫命御神徳

御神徳は鎮魂の徳とあり、家内安全、開運、商売繁昌、清め祓い等の御神徳があります。